展示風景
(展示風景) 坂田あづみ – sleep well –
坂田あづみ – sleep well –
2014年6月18日(水)~6月29日(日)
会期中はお天気も荒れ模様で、雷雨豪雨、、なかなか足元が定まらないなか、たくさんのたくさんのご来場をいただきありがとうございました。
坂田さんの世界観、作品の持つメッセージについてお客様と何度も何度もお話しすることで、心や精神に直接作用するアート本来の役割や大切さを確信します。
今回は蚕室の街へのアピールとなる壁面に大きくインスタレーションを設置していただきました。
日常忘れている記憶や痛み・恐れなどをレースやリボン、糸に置き換え、壁面一枚の絵画のように搬入当日に描いていただきました。それらは作者坂田さんの捨てられない作品の切れ端だったり、ずっと仕舞い込んでいたお気に入りのパーツなどです。
それらの素材が自然光により姿を変え、空調の風で揺らめくたびに、怖さを感じたり癒しを感じたり、さまざまな心の動きを呼び起します。
街のみなさんもこのインスタレーションを話題にしてくださり、FacebookやTwitter、インスタグラムなどを見てのご来場も多かったです。
インスタレーションと対面の壁には同素材を使ったフレーム形式の作品が並びました。透明な塩ビに挟まれた作品は、壁の色や照明で変化し環境とともに存在します。独特の世界観が浮かび上がります。
刺繍ブローチは桐箱に虫ピンで留められ、標本箱のほうな見せ方に。ブローチとしてだけでなく飾ることも意識し提案されています。
心臓や冬虫夏草は、西荻のお客さまに人気がありました。
坂田さんが現代アートに親しみのない、絵画を主に鑑賞するお客様に説明していました。
直接絵筆で描きたい世界そのものを描くと、とても直接的に自分自身が現れてしまうことに躊躇します。布や糸などの「素材をコントロールする不自由さ」「質感の持つ力」がひとつのクッションになり、自身を冷静にさせてくれるのです。
アートの表現は自由ですが、自由に見えるそのふるまい(発想)には理由や必然性、背景が必ずあります。
アートを通じて日常を照らすことを今後もぜひ体験していただきたいと思います。